Alteryx Server 2018.2 インストール手順(on Amazon EC2/Windows Server 2012)
こんにちは。
我が子の夏休みの自由研究でイチゴ味やラムネ味の茹で卵を試食して大変つらい思いをしています、DI部の兼本です。
今回はAlteryx ServerをAWS EC2にインストールしたので、その手順についてご紹介いたします。
Alteryx Serverのインストール手順については過去にもご紹介しておりますが、エントリが公開されてから1年半が経過しており、製品バージョンも当時のAlteryx 10.6から2世代メジャーバージョンアップしたAlteryx 2018.2がリリースされています。
インストール手順が変更されているかもしれませんので、過去エントリとの差異も確認しながら、インストール作業を進めたいと思います。
Alteryxの製品構成
最初に少しだけAlteryxの製品構成について説明します。
Alteryxには、各種分析やデータ加工・整形処理のワークフローを作成するDesignerに加えて、いくつかのサーバモジュールが用意されており、デスクトップ上で素早くデータ分析するだけではなく、組織がデータ分析を活用してスピーディに意思決定することを支援するプラットフォームを提供しています。
Alteryx Serverは、Designerで作成したワークフローを一元管理し、他のユーザに公開・共有することができます。スケジュール機能は作成したワークフローを定期実行し、データ分析業務の自動化を促進できます。
Alteryx Connectは、データアナリストが組織内に点在する様々なデータソース、ファイルから分析に必要な関連情報を見つけ出す支援をするプラットフォームを提供します。
製品バージョンについて
Alteryxは2018年8月現在、2018.2が最新バージョンとしてリリースされています。以下リリース履歴の抜粋を記載します。マイナーリリースも含めると非常に積極的なバージョンアップを行っていましたが、ここ最近はおよそ半年に1回程度のバージョンアップに落ち着いているようです。
バージョン | リリース日 |
---|---|
2018.2 | 2018年05月 |
2018.1 | 2018年03月 |
11.8 | 2018年01月 |
11.5 | 2017年08月 |
11.0 | 2017年02月 |
10.6 | 2016年06月 |
10.0 | 2015年11月 |
より詳細なバージョン履歴については以下をご参照ください:
Alteryx Serverのインストール
さて、それではServerのインストールを進めましょう。まずは動作環境に関しての確認です。
公式サイトでは下図のように記載されており、ハードウェア要件はAlteryx 10.6から大きな変更ありませんが、最新のAlteryx 2018.2では32-bit環境のサポートが終了となっていますので、もし32-bit環境でDesignerを使用する予定の方はご注意ください。
Product | Machine Requirements | OS Requirements | Chip | Processor | RAM | Disk Size |
---|---|---|---|---|---|---|
Designer | Minimum: 64-bit | Microsoft Windows 7 or later (64-bit) | Quad core (single chip) | 2.5GHz or faster | 8GB | 500GB - 1TB |
High Performance: 64-bit | Microsoft Windows 7 or later (64-bit) | Quad core (single chip) | 2.5GHz or faster | 16GB | 500GB - 1TB | |
Server | Recommended: 64-bit, 32-bit not supported | Microsoft Windows Server 2008R2 or later | Quad core (single chip) | 2.5GHz or faster | 16GB | 1TB |
High Performance: 64-bit, 32-bit not supported | Microsoft Windows Server 2008R2 or later | Quad core (single chip) | 2.5GHz or faster | 32GB | 1TB |
今回のインストール作業では事前にAWS EC2上にWindows OSを用意、運用を考慮したセキュリティグループやIAM Roleの設定などをしたうえで、インスタンスを起動しておきます。
参考までに今回検証用に構築した環境のスペックは以下の通りです。
- AMI: Microsoft Windows Server 2012 R2 Base
- InstanceType: m5.xlarge
- vCPU: 4
- RAM: 16Gib
- EBS: 100GB
検証環境のためにストレージサイズはAlteryx社推奨のインストール要件を満たしていませんが、動作確認のみなので問題ないと判断いたしますが、実際の環境構築に際しては、それぞれのシステムに適した環境を用意するようご注意ください。
また、2018年8月現在、公式サイトからのトライアル版ダウンロードはAlteryx Designerのみとなっておりますので、Alteryx Serverのトライアル版をご希望のお客様は、弊社までお問い合わせをいただければ幸いです。
インストール手順
インストーラを起動してインストールを開始します。最初にインストールディレクトリを指定できますが、特に問題なければデフォルトで進めます。
次に進むとライセンス承諾の画面が表示されますので、こちらも問題なければチェックして次に進みます。
インストールが完了したらサーバの設定を継続しますが、今回は続けてPredictive Toolもインストールします。
Predictive Toolについてもライセンス許諾の確認がありますので、問題なければ次に進みます。
「Install」を押下するとPredictive Toolのインストールが開始します。
インストールが正常に終了したら、Alteryx Serverを起動します。
と、思ったらAlteryx Designerが起動しましたね。でも慌ててはいけません。Alteryx ServerはWindowsサービスとしてインストールされていますのでご安心ください。次のステップではサーバの設定を行います。
また、ここまでの手順に関しては、Alteryx 10.6との違いはありませんでした。
Alteryx Serverの初期設定
まずはライセンス認証をします。以下の画面でメールアドレスとライセンスキー入力してアクティベーションを行います。
アクティベーションが正常終了すると以下のように表示されます。
続いて、Alteryx Serverの初期設定を行います。初期設定はAlteryx Designerのメニューから[Options]-[Advanced Options]-[System Settings]を選択するか、デスクトップ上に生成される「Alteryx System Settings」アイコンをダブルクリックすることで行えます。
以下は設定画面を表示したところです。環境設定はカテゴリで分かれています。この辺りも以前のバージョンから変更はありませんでした。
環境:セットアップタイプ
ここでは、All-In-OneでServerをインストールした後でWorkerやGalleryなどのサービスを別環境に構築してスケールアウトしたいときなど、「Setup Type」の変更ができます。なお「Setup Type」を変更すると設定済みの項目がリセットされたり、サービスの再起動が必要になりますので、設定を変更する場合は注意してください。
Alteryx Serverのアーキテクチャに関する詳細は以下の記事も参照ください。
環境:ワークスペース設定
ここにはAlteryx Serverが使用するワークスペースを指定します。
コントローラ:一般
コントローラのログ出力などに関する設定を行います。
コントローラ:永続性
Alteryx Serverの内部データベース(MongoDB)やデータフォルダの指定を行います。
コントローラ:マッピング設定
メモリやディスクスペースなどの設定を行います。
ワーカー:一般
ワークフローやジョブを実行するワーカーの設定を行います。
ワーカー:実行
ワーカープロセスを任意のユーザで実行する場合に設定します。
ワーカー:マッピング設定
実行可能なワーカー数の設定を行います。
ギャラリー:一般
ギャラリーの設定を行います。ここでDefault Gallery Administratorに設定したアカウントがGalleryの管理者に設定されます。
ギャラリー:認証(NEW!)
新しく追加された設定です。Galleryの認証に関する設定を行います。内部認証の代わりにWindows認証やSAML IDPと連携することができます。
なお、認証の「Authentication Type」は、ダイアログの注意書きにもある通り、一度設定すると後から他のTypeに変更できなくなるため、この設定を変更する場合は注意してください。
ギャラリー:SMTP
Galleryからメール送信するときに使用するSMTPサーバの設定を行います。
ギャラリー:永続性
Galleryで使用するデータベースの設定を行います。
エンジン:一般
Alteryx Server が使用する実行エンジンに関する設定を行います。
ファイナライズ
ここまで設定したら、設定のファイナライズを促されますので、問題なければ「Finish」を押下します。これでAlteryx Server とGalleryの利用ができるようになりました。
実際にGalleryに接続してみましょう。GalleryへのアクセスはWebブラウザを起動して、以下のURLにアクセスします。
http[s]://<ホスト名またはIPアドレス>/Gallery/
AWS EC2を使用している環境ではセキュリティ設定で外部からのHTTPアクセスを許可するように注意してください。またWindows Firewallの設定についても同様に変更する必要があります。
まとめ
今回は、AWS EC2環境にAlteryx Serverをインストールしてセットアップする手順についてご紹介いたしました。
旧バージョンである Alteryx 10.6と比較しても、インストールと設定の手順に大きな違いはありませんでしたが、外部認証など、新しい機能が追加されていることも確認できました。
今後、新機能のAlteryx Connect やAlteryx Serverの外部認証連携なども検証していきたいと思います。